つけました。
基本的に、女性に比べて男性はやっかいなことから“逃げたくなり度”が
高いものだ。逃げたって“大勢に影響”がないことはたいてい逃げようと
してきたことのツケは、実は自分の歩いてきた人生そのものにちゃんと
跳ね返っていたりする。
寺島(三浦友和)と、徳久(江口洋介)それぞれのそのツケは、どちらも
くしくもパートナーからの“否定”によって、自分の目で、まのあたりに
することとなる。その一つが、仕事における自分探しだ。
寺島は、退職後、本社から紹介された子会社で、自分はまだ必要とされて
いるものと思っていたのに、実際は、本社との接着剤(退職社員を
預かることで本社に貸しを作るということかな)のための完全な「お飾り」
役員であることに失望し、同時に妻の気持ちにも素直に気づけるようになる。
一方の徳久は、3週間休んだことで、自分のプロジェクトはキャンセルに
なり、完全に浦島太郎状態になっている中で、自分のいない間に、ちゃっかり
功績をあげようとする同僚の姿と、自分の地位の確保だけに必死になって
いる本部長の姿を見ることで、会社における自身の醜い姿を悟る。
いきさつはどうあれ、2人ともお遍路で歩くことの意味を、それなりに
わかりかけていたからこその今回のタイトル『目覚め』なのだ。
『心の底から自分が求めるものとは一体何なのか?』
この答えが、ひたすらに歩き続けることでほんとに出るのかはわからない
けれど、少なくても答えを探るための格好の状態に自分をおけることは
間違いないんだろう。
その場所にまた戻っていく2人の姿は、いつのまにか自分に染み付いていた
ものを少しそぎ落とした、清清しさがある。
同行しているそれぞれも、またそれぞれが自分が背負ったもの、しみついた
ものをそぎ落とすことで見つけたいものがあるからこそ歩き続けているのだ。
このドラマを見ていると、なんだか無性に自分も歩いてみたくなる。
来週はいよいよ最終回。それぞれの求めるものはみつかるのか?
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視聴率 8.0%
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