2006年12月02日

土曜ドラマ『ウォーカーズ』最終回 評価“素晴らしい!星5つ”

お遍路とは、己ひとりで、己の道を禅問答することなり

四国八十八箇所を巡りながらのロードムービードラマも遂に最終回。
先達(原田芳雄)を除く一行8人のうち、夫婦等のカップルを3組(6人)
も入れた意味が、最終回にしてやっとわかった気がする。最後には、
結願(お遍路の行程を無事終了する)した彼らと逆に出発する、徳久(江口洋介)
の父母もまた夫婦というカップルだ。

実際にお遍路をする人は、本当に千差万別いろんな人生のシミとか垢を
抱えているのだと思うけど、このドラマは『夫婦』というものを核にして
いたってこと。

夫婦とは、一つの道程を、2人で歩いていかなければならないもの。
だけれど、それぞれは実は「その人だけの人生」を歩いている同士でも
ある。つまり、お遍路をする同行者のようなものだ。

寺島(三浦友和)から「手をつないで歩こう」と提案された妻靖子(風吹ジュン)
が、「大事なのは形で仲良くすることじゃない」と拒否したセリフ。
「自分の田舎にいけば、お前がなりたいと言ってた日本語教師の職もある」と
言われて「私はほんとは、日本語教師になりたかったわけでもないし、
ブティックの店員をやりたかったわけでもないの」
「ほんとは、あなたと会話したかったの」
と本音を吐露したセリフ。

このどちらものセリフに、このドラマをお遍路ものにした理由があるように
感じました。
「夫婦」とは、他人同士が長い長い会話をしながら1本の道を進んでゆくこと。
それが言いたかったんじゃないだろうか?どんなカップリングであれ、
基本は「ひとり」だ。お遍路との違いは、会話する相手が「自分」から
「ステディな相手」に変わること。そして、その「ひとり」と「ひとり」が
同じ相手と向き合って会話しつづける中にこそ、自分の道もまたおのずと
見えてくるもの。そして2人の人生も最後を向かえる時には、輝くものになる。

寺島夫婦だけでなく、徳久たちもまたそのことに気づくことが出来た。
大事なことは、お互いが常に相手と向き合おうと努力しあうこと。

そういうことを教えてもらえた全4話のこのドラマ。
見終わってとってもスッキリした気分、そう、まさに私も一つの旅を
終えた気分だ。素敵なドラマをほんとにありがとう〜!揺れるハート

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視聴率 10.8%
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posted by まりりん at 23:10 | Comment(3) | TrackBack(2) | ドラマいろいろ
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