醜悪感というか、そういう感覚がなくなって見えるようになって
きたのは、「老いらくの恋」が「温かな愛」に変わっていたから
だったのね。
立木さんも、やっとこの歳になって、女性をちゃんと愛することが
出来るようになったということなんだろうけど、ちょっと遅すぎる
気がしなくもない。それでも失恋しても温かな気持ちで毎日を
過ごせるようになった姿は、見ていて心地よくすらある。
ただ今回は、かえで(夏川結衣)のいろんな意味での“実は
切羽詰ってます”感が痛いくらいにわかって、それが一番胸に
来た

たいしたステイタスも何も持っていない、35歳の独身女性に
残された道は、とりあえず今側にいる男を、自分を満足させて
くれる男に変えること そこに一縷の望みを託してみたい気持ち。
なんかわかるな〜〜〜、うん、わかるよ。
でも、相手を変えるなんて無理無理

やっぱり龍彦(徳井義実)はいたたまれずに出て行ってしまった。
まあそりゃそうだ!それでなくても今までさんざっぱら「書く」と
いうことから逃げ続けてきた人間が、誰かにせっつかれて仕方なく
始めたって書けるわけがない

そしてラスト、かえでは立木さんの気も知らず、その肩で泣き、
龍彦は行くところがなくておっちゃんの家のドアの前で待つ
て、この2人は一体どこまで立木さんに甘える気なんだろう?
そしてそんな2人にどこまで立木さんは甘えさせてあげるんだろう?
恋と愛の狭間で、この先立木さんはどうしていくのか?
とっても先が気になります。