2006年03月09日

白夜行 第9話 評価“ラスト一気に泣けたけど・・・”

今回は、今までのわかりづらかった部分その他を、
キャラに語らせることによって、最終回を前に視聴者に
今までの話から2人の行動とその心理を明確にしておこう という
意図があったかどうかは定かではないけど、全体的に
“説明”の多いストーリーになっていて、物語の流れとしては、
イマ一つの感もあった。

しかし、今回は、彼らに関わる4人の女性のそれぞれの“愛”
いうものを断片的にではあるがうまく描いていたと思う。

----------------------------------
雪穂の養母礼子の愛
礼子は礼子なりに、自分に心を開いてくれない雪穂を
それでもずっと変わらず愛し続けていたし、雪穂の
本当の姿の一片を見ても受け入れていた。
雪穂も礼子の真実の愛を知り心が動かされたのは確かだ。
それでもすべてが遅すぎたし、結局今までその愛情を
ちゃんと雪穂に伝えてこれなかったことが残念だとも思う。
もっと早くに、心からぶつかってきていれば、きっと
その後の雪穂はそれなりに変わることも出来たと思うのだが・・・

点滴?の管をはずされても微動だにせず、最後に亮司に言った
「あわれやなあ・・」のセリフが
彼らの罪に対するすべての罰を総称する言葉に聞こえた。

亮司の母弥生子の愛
ロクな母親ではないことは確かだけれど、それでも世の中で
一番愛していたのは、やっぱり1人息子である亮司なのだと思う。
夫も愛人も、本当に愛していたわけではない。そして自分自身の
ことも。
それでも亮司のことだけは、世界中でただ1人愛していたの
だと思う。だからあれほどに苦しみぬいているのだ。
自分が亮司をあそこまで追いやってしまったこと。何も
してやれないこと。自分を責めて責めて責めぬく毎日。
そんな母親の愛情があるからこそ、亮司はどれほどの悪事を
おかしても本当の悪人にはなりきれないのだと思う。

図書館司書真文の愛
2人が共通で唯一心を許し(全部ではないが)、自分達から求める
ただ1人の大人。
彼女はなんといっても幼い日の2人にとっての、唯一の
やすらげる場所でもあり、にこやかな笑顔を向けてくれる
人でもあった。それはまた真文も彼らが大好きだった
からだ。今回、ラストで、はっきりと「あの子、大好き
だったんです」
と言葉にしてくれて一気に大号泣してしまった。
ただ大好きだと思ってくれる存在。それこそが“愛”だろう。

薬剤師典子の愛
典子にとって亮司は“男”だ。だから性的な亮司の問題に
対して自分がなんとかしてあげたいと思う。そこに
心の問題が潜んでいることもわかっているから、デリケートな
部分に対して配慮しながら前に進んでいけるように考えている。
それも一つの愛だ。亮司にとっては何者でもない、まさに
“男としての自分”を愛してくれている存在ともいえる。
----------------------------------

次週、そんな彼らを愛してくれている女性が
2人も死んでしまうということの悲しさを感じている。
posted by まりりん at 22:49 | Comment(12) | TrackBack(20) | 『白夜行』
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この記事へのコメント
はじめまして。いつもTBありがとうございます。

4人の女性、それぞれの愛。切なかったですね。

>それでもすべてが遅すぎたし、結局今までその愛情を
>ちゃんと雪穂に伝えてこれなかったことが残念だとも思う。

礼子は結構愛情を注いでたと思うんですよね。でも雪穂を甘やかすような無条件の愛とは違った。結構厳しかったとも思うし。雪穂にとっては亮司からの無条件の愛の重みの方が上だったんですよね。

何も殺さなくてもって気持ちはあるんですけどね。
Posted by balineko at 2006年03月10日 15:40
balinekoさん、こんにちは!TB&コメントどうも
ありがとうございます♪

>何も殺さなくてもって気持ちはあるんですけどね。

ここですよねえ、ここ!笹垣の言う、真実を知る人間=
抹殺 この図式って今まで彼らの中で当たり前に成り立って
きてたことで、礼子っていうのはどの程度躊躇の対象かと
思ったけど、あのまま亮司がこなければ雪穂はほんとに
やってたのか?亮司は「出来ないだろう」とも読んで
ましたよね。私は結構気になってるとこなんです。

あとはほんと真実を知った真文に対してどう出るのか?
がすごく楽しみ(という言い方はなんですが)なんです。

つまり結局は、大人たちの愛情がどの程度のものかを
あらわす一つのバロメーターみたいなものかなと思って
るんですけどね。どうでしょう?

またどうぞよろしくお願いします〜!
Posted by まりりん at 2006年03月10日 16:21
まりりんさん
コメント&TBありがとうございます!!

礼子さえも殺してしまうなんて。
悲しすぎます。切なくてたまりませんでした。
(ノ_-;)ハア…
罪に罪を重ねていく2人が本当にあわれです・・。
「自分たちの真実に触れた人間には死を与える」

やっていることは、
決して許されることではないですけど。
最後に、2人にも救いがあればいいですね・・。
今後ともよろしくお願いします!!
Posted by miyabi at 2006年03月10日 17:33
miyabiさん、こんにちは!コメントありがとうございます!

>最後に、2人にも救いがあればいいですね・・。

ほんとですよね〜、現段階ではもうこの2人は大人になって
いるんだけど、私たちの中ではどこかあの子供の時のままの
2人がいて、それがあるからこそどんなに悪いことをして
ても同情を感じてしまう部分があるわけで、なんとか
救いを と思うばかりですよね。
こちらこそ今後ともどうぞよろしくお願いします〜!
Posted by まりりん at 2006年03月10日 17:41
なる程ねー!!確かに説明が多かったですねー!!しかし八千草さんが見てる前で犯行を犯す姿は怖かったです!!
Posted by お気楽 at 2006年03月10日 19:20
お気楽さん、こんばんは!コメントありがとうござい
ました!

>八千草さんが見てる前で犯行を犯す姿は怖かったです!!

ね〜〜〜、ああいう殺しの場面というのもなかなかない
ですよね。チューブ引き抜く側も抜かれる側も両方に何の
おびえもなく普通のことのようにしてたのが怖かったです。

またよろしくお願いいたします〜!
Posted by まりりん at 2006年03月10日 20:29
こんばんは!
なるほど4人の愛ですね。4人ともそれぞれの愛を貫いています。
私が特別感じたのは八千草ママの強い目かな?
この力強さに雪穂は守られてきていたのですよね。
庭で見つけたときからきっと覚悟があったのでは?
死を持って導こうとしたように思えます。
今週の笹垣は慈悲の色が見えてきたように感じました。
Posted by かりん at 2006年03月10日 20:54
かりんさん、またまたのコメントありがとうございます♪

>死を持って導こうとしたように思えます。

おぉ〜〜、そうかもですねえ確かに。だから最後の場面で
みじろぎもせずだったのかも。確かに強い目でしたね。
ダテにヅカ出身じゃないですよね(笑)
笹垣に慈悲の色か〜〜、だったら少なくても雪穂の居場所は
わかっているんだし、早く接触してともかくこれ以上
犯行を重ねないように、ひたすら説得するしかあの人に
出来ることはない気がするんですよね〜。それこそ
自身の死も覚悟して。
篠塚とああだこうだ2人の気持ちを推察してる場合じゃ
ないと思うんですが(笑)
またよろしくお願いしますね〜!
Posted by まりりん at 2006年03月10日 23:17
コメント&TBありがとうございます。

4人の女性それぞれの愛。
確かにそうですねぇ。
考えたら亮司と雪穂は、こんなにも愛してくれている人々に囲まれてるんですよね。
その事に2人が気付いていれば、もっと違う形の幸せがあったはずなのに…。
もうここまで罪を重ねてしまうと、そのやさしさに飛び込むことが出来なくなってしまっているのかもしれませんね。
Posted by Range at 2006年03月11日 08:57
Rangeさん、コメント&TBこちらこそありがとうござい
ました!

>もうここまで罪を重ねてしまうと、そのやさしさに飛び込むことが出来なくなってしまっているのかもしれませんね。

これは私も思うんですけど、結局それを自分の中にほんとに
受け入れてしまうと、自分の負け みたいな、つまり
自分のしてきた悪行の重さを本気で背負わなきゃいけなく
なることを、本能的にこばんでしまうのかもですよね。
ほんとは何よりも求めているものだとも思うんですけど。

そのあたり、現実の人間心理でもあることだなとも思います。だからこそ、引き取った11歳の頃なら、もしも
本気で礼子がぶつかっていればどうにか出来たんじゃないか
とも思うんですけどねえ。
ずっと見てて、礼子は雪穂に対して、ちょっと腫れ物に
触るじゃないけど、少し距離を置いてたとこあった気が
します。そのあたり、やっぱりほんとの子供じゃないし、
難しかったのかもしれないですが。
なんて思ったりしています。
またどうぞよろしくお願いいたしますね〜!
Posted by まりりん at 2006年03月11日 13:23
余さんの
『あの子、大好きだったんです』
って言う言葉は本当に号泣しましたね。
それを聞いた母親も心が癒されたと
思います。
唯一、愛した一人息子のことを
そんな風に言われたら嬉しいですもんね!

Posted by あい at 2006年03月14日 09:17
あいさん、TB&コメントどうもありがとうございました!
ほんと、あのシーンにはやられました。また2人とも演技
うまいですもんねえ。あんな短いシーンで、泣かされた
ことも私自身そうなかったかもです。
では、またよろしくお願いいたします〜!
Posted by まりりん at 2006年03月14日 22:10
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