
一体何なんだろう?今回の完成度の高さには驚くべきものがあった

まあ、人の感性はそれぞれだから他の人にはどう見えたかはわからないが、私に
とっては驚天動地の1時間だった

毎回このドラマにはいろんなテーマが潜んでいて、それをまたうまく紡ぎ合わせて
いることに感心してきたけれど、今回は、お金・恋・欲・生き方・人生など
普遍のデカいテーマをいくつも詰め込み、しかもそれが全然とっちらかって
なくて、一分の隙もムダもなく、見事に一つの物語の流れの中に綺麗にはめ込んで
いたから1時間が過ぎるのが早い早い

そのバランス感覚も見事としか言いようがなく、本当にこれはすごいドラマだと
改めて感じ入ってしまった

その中でも特に焦点を当てていたのが、“欲”の部分だったように思う。
金銭欲と愛欲の2方向からそれを描いていて、その二つをうまくクロスオーバー
させていた。

はじめはそんなつもりじゃなかった。ただ野ブタのイメージアップになれば
と思って始めたキーホルダー売り。
だけど実際おもしろいようにお金が入ってくるとはじめの目的なんてもう
どこへやらで、お金を儲けるということに関心と興味をいだく修二。だから
自分達の“商品”よりも50円も安く売られているバッタモンに激しく
怒りを燃やし、なりふり構わず“儲け道”に突入していく。
とりつかれたようなその姿は、まさに人間誰もがはまりうる“金銭欲”の
醜い形相。

はじめはただ“好き”という気持ちで胸がいっぱいだった。その人がそこに
いるだけでいい。その人と話せるだけでいい。恋の始まりはいつでも
とても綺麗なものだ。でもその状態が長続きすることはない。やがて必ず
“その人を自分のものにしたい”“その人を自分の思い通りにしたい”と
いう“愛欲”が生まれ、自らの中で生まれたその欲に苦しめられ、振り
回され、そして醜い姿もさらすようになっていく。今回、彰は野ブタが
だんたんと人気者になっていくことを実感したところから一気にその欲を
心に抱くようになる。
この二つは違うようでいて、どこか似ている。それはどちらも“自分本位”
になるということでもあり、そこにはもうかつての美しさは見られなく
なるという点だ。それでも、それがまた“生身の人間の姿”でもあるのだと
いうことを誰もがわかっているからこそ、共感出来たりもするのだ。
これから今日は最低2回はビデオを観る予定。明日からは別のテーマに
ついて書いていきたいと思います。
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