
野ブタ。第6話の大きなキーポイントの一つは“なりたいもの”
冒頭、修二の弟浩二から父親が 「とうさんのなりたかったものって何?」
と聞かれ 「友情に厚い男さ」
と答えるシーン

普通、その場合の なりたいもの とは、職業のことを言う。
しかし、あえて“人として”の観点から答えている。
それを聞いた弟浩二は 「それって普通のことじゃん」と言い返す。
そして、これが修二たち3人の進路調査にリンクしている重要な
シーンとなっている。
彰は父親から自分の跡を継ぐように腹を決めろと詰め寄られ、
学校では、進路調査票を1週間以内に提出するように担任に言われる。
これもまた、普通に考えれば、職業的な進路を意味するのだけれど、
このドラマでの答えは違ったのだ

3人の進路調査票には、第一希望や第二希望などのところは白紙で、
最後の 「その他の希望進路」のところに
修二 → 『ちゃんとした人間になる』
彰 → 『道端の十円玉』
信子 → 『笑って生きる』
って具合に、“人としての希望進路”が書いてあった。
うまいよなあ、こういうところ

言いようがない。惚れますね、脚本家に(笑)
17歳、高校2年生の時期というのは、実際はまだ本気で進路のことを
考えなくてもいいし、高校に入学して余裕の出てきた時でもあるしで、
高校生活の中でも一番良い時期だし、楽しめるときでもある。
だからほんとはまだ進路なんて決める必要もないし(早くから決まって
る人は別だけど)、むしろ、1日1日を何にも考えず楽しく
過ごすことにこそ意味があるようにも思う。
だけれどもその時期も確実に、人間形成はなされているのだ。
ただ漠然と生きていても、人間は単なる大人には誰でもなれるけど、
こんな人でありたいと思う意識を持ち続けてれば、きっとその後の人生
何かが違ってくるはずだ。
そのことを気づかせてくれるエピソードだったようにも思う
