時間延長もない中で、よくこれだけのまとめかたを
してきたなと思う。
視聴率も悪く、おそらく相当に士気も低下していた中で
最後の最後に力を振り絞ってこれだけのクオリティの
ものを作り上げたスタッフの根性と力量に脱帽です。

それまでがよくても最終回でコケる ってドラマは
今まで数々見てきたけど、その逆っては初めてかも
しれない。ともかく、このドラマはこの最終回のために
今までのすべてがあったってのがよ〜〜〜くわかりました。
なんかトリノへ行くまではイマイチだったのに、最後の最後
にすごいことやった荒川静香の金メダルのすべりを見た
感じ?



秀逸だったのは、冒頭の4人でのからみに始まり、
あっちと菊坊、あっちとテツ、やっちとあっち、
やっちと菊坊、やっちとテツ の個々のからみを
すごくうまい配分でちりばめてあって、しかも
どのシーンもセリフともどもすっごく心に残る
良いシーンに仕上げていたこと。
中でも最高だったのはやっぱり、やっちとテツの
別れのシーン。せつなくて、それでいてカラッと
晴れやかでとても美しく、でもけして哀しすぎず。
そのサジ加減が見事だった。
プロポーズや指輪を贈るというシーンは、過去
いろんなドラマで見てるけど、今回のこの2人の
シーンが今まで見た中で一番の名シーンであると
私は断言出来る。役者の2人がほんとにうまかったし。
そして、運命の9時30分の描き方も良かった。
最後はあっちと一緒だったやっち。夜の街を
お散歩しながらっていう粋なシチュエーションの
中で、風と共に去ったあっちと、テツからもらった
指輪。それを静かに受け止めるやっち。
他の消えた人たちとそれぞれの家族たちもまた同じだ。
最後にテツはあえて出さずに、402便は奇跡を
起こせたのかも?という希望を抱かせるラストの
持って行き方自体は、目新しいことでもなんでも
ないけれど、今回の全体を通しての組み立て方として、
すごく自然で、きれいなラストだったと思う。
402便の彼らは結局、10年前のあのとき、
それぞれの愛する人達に別れも告げず、愛している
思いもちゃんと伝えず、残されたものに、絶望と
悲しみだけを置いて行ってしまった。
その時の忘れ物を今返しにきたような奇跡の出来事
だったのかもしれない。
終わりよければすべてよし!
ほんとに素敵な最終回をありがとう!と言いたい。